今年よかったもの<6>雑誌

 沢木耕太郎「キャパの十字架」文藝春秋2013年1月号

 写真家ロバート・キャパ出世作「崩れ落ちる兵士」にかけられた疑惑について、現地の取材を繰り返して真相に迫るノンフィクション。
 細かい手掛かりから理論的に辿っていく手法は大好き。「崩れ落ちる兵士」が決定付けた彼(とパートナー)の人生も興味深いし、なにより写真についての論争を終わらせるような一意の結論にたどり着くのがいい。爽快な読後感。