モバイルSuicaチャージご利用分のマイル(ポイント)付与中止

マイル、ポイントカードの類にこだわるのはせせこましく、費用対効果もあわないので気にしてないが、企業の戦略という面で興味をもっている。

モバイルSuicaチャージにマイルが付かなくなった。
http://www.jalcard.co.jp/information/080801/index.html

SuicaPasmoとクレジットカードの組み合わせはチャージでマイルがたまるのが重要な宣伝文句。少し前にEdyへのチャージにマイルが付かなくなったが、鉄道系でこれをやってしまって大丈夫かな。と、少し考えていたらあることに気が付いて合点がいった。

プラスチックのSuicaのクレジットカードはVIEWカードのみしかない(VISAやJCBなどのブランドでなく)。これに対し携帯電話を使うモバイルSuicaはおさいふケータイの一機能であり、決済手段のクレジットカードが多々ある。Suica経由でポイントが付与されるのをVIEWカードだけにしようというのが今回の変更の趣旨ではないか。
加盟店がSuicaの親元のJR東に、JR東がカード会社に手数料を払う。この手数料がポイントの原資だが、JR東が払っている金額が元々少なかったのか今回さらに締め上げたのか。

これはSuicaJR東日本一社の商品であるから出来ることで、私鉄連合のPASMOでは事情が違う。各社それぞれ独自の系列クレジットカード会社を持っており、それぞれがPasmoに連携させている。自社内に取り込む方法は沿線の商店での利用にポイントをつけるぐらいしかない。東武沿線住人が東武TOPカードでチャージしたPasmoで日常的に東京メトロに乗っているようなケースは多いだろうが、東京メトロ To Me CARDを作らせるのは難しい。

Suica加盟店をどんどん増やし、VIEWカードで決済してもらうのがJR東日本にとっては最高だが、モバイルSuicaで電車に乗られるのは逆に手数料が流出してしまい望ましくない。モバイルSuicaの普及には微妙な損得がある。もちろん、決済をVIEWカードにしてくれればモバイルだろうが普通のクレジットカードであろうがJR東にとっては関係ないが、わざわざVIEWカードを作る人はそんなにいないだろう。

JRと携帯事業者の落としどころなのか、ビューカード以外のカードを決済手段にすると年会費が1,000円かかる。この機会にビューカードを作ってねということだろう。
普及を優先したいキャリアが負担してるのか、ビューカード以外でも初年度無料、翌年度払わないと会費のかからないEASYモバイルSuicaに移行となっている。

PASMOSuicaの相互利用開始でどちらか好きな方を使えば良くなったが、唯一そうはいかないのが定期券。JR、私鉄相互利用は提携が始まっているが、JRだけの人はPASMOに定期はつけられない。