モーニングサテライトのシカゴ日経平均

久しぶりに資本市場の前線で働くと、意外な事実を教えてもらうことがある。
テレビ東京のモーニングサテライトで欧米の指数をチェック(ネットでも見れるが耳から分析のコンセンサスやセクターの動きを日本語で聞くのも有益)するのだが、ここで使われているシカゴ市場(CME)の日経平均先物がなんとドルクオントの価格なのだ。シカゴ日経は、前日の東京終値をベースに午後3時10分以降、世界のマーケットの変化を織り込んで価格形成される。皮膚感覚よりいつも若干高いような気がしてたのだが、納得。
 
通常の先物(先渡)価格。

   F=S0e(r-q)t
 
クオントは次のようになる(xは為替レート。円/ドルでなく、ドル/円)

   F=S0e(r-q-σsσxρsx)t

こう書き換えると、

   F=S0e(r-q)te(-σsσxρsx)t

 通常の先物より e(-σsσxρsx)t だけ調整されることになる。現在は円高になると株価が下がる逆相関の関係にあり、 ρsxはマイナス、従ってe(-σsσxρsx) は1より大きくなり、ドルクオントの理論価格は上方に修正される。

 クオント先物は、単純に日本のマーケットの上げ下げに外貨ベースでベットしたいか、クオントのデルタをヘッジしたい人が使うもので大証との比較には適切でない。
 CMEには円額面の先物も上場されており、出来高も遜色なく、こちらを紹介すべきなのは明らか。業界の人以外には(業界の人でも)些細といえば些細だが。

 数式を書くのに悪戦苦闘。TeXが使えればコンバートするアプリはあるみたいだが。 <sup> と <sub> 、入れ子も使え、最低限の数式が書けるのをネットで発見。普通の文字サイズだと潰れるので、式だけちょと大きくしたら今度は大きすぎ。