預金連動型住宅ローン

 所得税控除が預金とローンの両建てのメリットだと思っていた。団体信用生命保険は気が付かなかった

2008/06/13, 日本経済新聞 夕刊, 6ページ, 有, 716文字
預金連動型住宅ローン――預金同額分の金利ゼロに(金融商品Q&A)

 Q どのような住宅ローンですか。
 A 住宅ローンの残高のうち、普通預金の残高と同額の部分は金利がゼロになるのが基本的な仕組みです。預金が増えれば月々の金利支払額を減らせます。もし預金がローン残高より多ければ、利子を全く払わなくていいのです。
 Q ほかにメリットはありますか。
 A 預金を増やしていけば金利負担が減り、結果として支払う総額を減らせます。一般的に繰り上げ返済は数万円の手数料がかかります。繰り上げ返済に比べ、まとまったお金を用意する必要はなく、少額でも一定の効果があります。
 借り主の死亡や高度障害で収入が途絶えたときに備えることもできます。万が一の場合、団体信用生命保険の保険金でローンは全額返済されますが、預金がなければ残された家族が住宅を売らざるをえなくなるケースもあります。一方、預金連動型の場合、預金口座のお金を取り崩さなければ、同じような事態になっても保険でローンが返済されるとともに、預金も残ります。
 Q 注意点はありますか。
 A ローンを借り入れる銀行に普通預金口座を持っているのが原則です。ローンを借りている間は普通預金金利がつきません。
 利子が減ることを前提にしているので、もとの金利が高めに設定されていることにも注意が必要です。手元資金に余裕のない人にとっては一般のローンの方が有利かもしれません。
 Q どの銀行で申し込めますか。
 A 東京スター銀行関西アーバン銀行香港上海銀行などが取り扱っています。香港上海銀は融資額に上限を設けていなかったり、東京スター銀は他の金融機関からの借り換えの金利を優遇したりするなど各行で特徴は異なります。関西アーバン銀は家族の預金も連動の対象にしています。